ホームトピック一覧AppleとMicrosoft、マーケットシェア合戦

AppleとMicrosoft、マーケットシェア合戦

  先月号  でiPodの成功の謎を説明してから、なぜ、MacはiPodの様に成功しないのかと言う質問がしきりに寄せられているので、回答します。

歴史

  AppleとIBMがディスクトップコンピューターの販売合戦の最中、Appleは、GUI (Guraphical User Interfase)とマウスを導入した世界初のコンピューター「Mac」を市場に投入しました。IBMのコンピューターは、相変わらず、コマンドラインのインターフェースでしたが、IBMのコンピューター用に数多くのソフトが出回っていました。その反面、Macに対応したソフトはごくわずかで、GUIは画期的でも、いまいち利用価値が無く、消費者はIBMのコンピューターを購入しました。

  そうこうしているうちに、Compaqが、IBMとは全く無関係に「IBM対応」と名付けたコンピューターを販売し始めました。一応、IBM対応なので、CompaqのコンピューターにもIBMコンピューターと同じOS「MSDOS」がインストールされました。その後、多くの企業がCompaqを真似し、「IBM対応」コンピューターを販売し始めました。それに伴って、MSDOSのマーケットシェアが伸びていき、今日のMicrosoftの成功に繋がりました。

マーケットシェアの威力

  マーケティングの教科書によると、企業が一旦50%のマーケットシェアを確保すると、よっぽどばかな事しない限り、その企業はマーケットシェアを失う事はないとされています。50%マーケットシェアの確保がそれほどの威力があるなら、90%を越えるマーケットシェアを確保したMicrosoftは、無敵です。現実に、アメリカ政府ですら、公正取引法違反の疑いでのMicrosoft分割に失敗するほどです。ですから、いくらAppleの「Macをはじめよう」の広告が優れていても、Microsoftからマーケットシェアを奪う事はできないのです。同じ理由で、既に50%のマーケットシェアを確保したiPodから、Zune(Microsoftのミュージックプレイヤー)がシェアを奪い取る事はありません。

発想と企画

  重要なポイントは、GUIの様にコンピューターの歴史に残る大発明でも、それだけでは成功には繋がらないという所です。先月号で「イヤフォンの色をピンクにしたら、今日の用なiPodの成功はなかった」と述べた様に、何が売り上げに結び付くか慎重に判断し、画期的な発想を販売に結び付けなければ、成功には繋がりません。

© 2007年10月