ホームトピック一覧商品が売れる要因

商品が売れる要因

  商品の機能や性能が販売に直結すると考えられがちですが、現実には、製品の性能、さらには商品そのもの以外の要因が、売上を大きく左右します。

デモ

  アップルと IBM の競争が激しかった当時(1984年)、電化製品店の販売員だったチャールズイーチャーは、アップルの Apple//c と IBM の PCjr の販売台数に大きな差を生んだ違いは「デモ」だったと述べています。アップルは展示用にデモソフトを用意しましたが、IBMは、ROMカッセット(初代ファミコンのゲームカセットと同様の物)に入ったワープロソフトの製品そのものをデモとして代用しました。IBM の ROMカセットは一万円近くしたので、盗まれない様、来店者から特別要望が有るまでは、店員が持って歩かざるをえませんでした。そのため、展示されていた PCjr は、電源が入っていても何もしない状態でした。その半面、Apple//c 用のデモは、盗まれてもコピーを別のフロッピーにいくらでも作れたので、デモ用のディスクを入れて展示し、来店者は勝手に Apple//c をいじる事ができました。特別性能に差が有った訳ではなく、触ると動く様に展示されていただけで、来店者は Apple//c を好んで購入していきました。

空の箱

  さらに、アップルは、3色刷りの箱を Apple//c 用にあつらえ、製品と一緒に空箱を販売店に送りつけ、店内に高々と積み上げておく様に要望しました。さらに、その空箱を来店者の手に持たせれば、Apple//c は自然に売れていくとまで言ったそうです。空箱が売上に繋がるはずはなさそうですが、最近 iPod が重箱の様な箱に入ってくる所を見ると、製品の箱の販売効果は大きな物が有り、それに味をしめたのではないかと推測できます。

感情

  デモソフトや製品の箱が売上に繋がると言うのは、ちょっと信じがたいですが、現実に、アップルはそれで IBM を打ち破りました。多くの企業は、高性能、高機能が製品を売ると思い込みがちです。しかし、客観的に製品の性能を見極められるだけの専門的な知識を持っている消費者は、ほんの一部です。そこで、「箱が綺麗」、「広告がかっこいい」等、消費者の主観に訴えた販売方法の方が、売上をより大きく伸ばす事が可能です。

© 2012年4月